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 エンカウントしバトルする。このRPGの基本を改めて考えてみます。


■そもそもなぜザコ戦があるのか

 まずここから。
 「 RPGはそういうものだから 」と考えてしまうのはよくありません。
 「 必要だからザコ戦を配備するんだ 」と明確な理由を持って配備したい。

 リソースの管理
  RPGにおける ダンジョン攻略 というゲーム部分。
  それにおいて重要となるのがこのポイント。

  パーティの残りMPや回復アイテム、満腹度や、ポケモンならPP、など、
  そういったパーティの疲労を表すものについて、いかに効率良く活用していくか。
  いかに節約し、最終目標地点まで到達するか。

  この「運用」こそが「ダンジョン攻略というゲーム」と言えます。
  ドラクエにおいては あと何回ホイミが使えるか が重要だったりしたり。

  ザコ戦というのは、それらを削りにかかってくる障害、
  ザコ戦が無かったら、ダンジョンはただの「街」になってしまいます。

 これが、ザコ戦が必要な理由。

 しかし最近のライト向けRPGでは、この要素を薄かったりします。
 例えば回復アイテムを使い切れないほど大量に持てる(価格が安い)場合、
 リソースの管理という概念は崩れ去ってしまう。

 更に加えて、そのRPGにおいて「 ダンジョン攻略 」がどの程度大きな存在なのか、

 ダンジョンにおけるザコ戦が、単なる時間稼ぎになってしまうと
 少しその存在価値を考える必要が出てきます。


■アクションゲームに学ぶ

 ~マリオブラザーズ~
   ザコ : 倒してもスコアアップのみで、素通り問題なし。
   強化 : ブロックから出るキノコなど

 ~ゼルダの伝説~
   ザコ : 倒すとアイテム補充、たまに「倒すと扉が開く」ものも。
   強化 : ハートのうつわ・かけら、道具入手、武器強化イベント


「共通点」
ザコを倒す事は強化に繋がらない。
・基本的に倒さなくても先に進める。たまに、その敵を倒さないと進めない場所がある
・倒すと安全に進む事ができる。
・寄り道すると強化される。


 なんとザコ敵を倒さなくても全く問題ない!
 RPGからしてみたら驚愕です。

 RPGと異なり、獲得がないにも関わらず、プレイヤーは自ら敵を倒しにいきます。
マリオのクリボーなんて、簡単に飛び越えられるのに。やはり踏まれます。
星のカービィ も同様で、倒す必要はなくても、倒して進んでしまう。


 やはり倒す事が楽しいという爽快感。これが何より必要なのではないでしょうか。
そしてそれはRPGでも同じことだと思います。

 やはり、作業を乗り越えて獲得がある なんて設計よりも、
そもそも戦う事自体が楽しいほうがいい。


 現状のRPGにおいて ザコ戦闘に経験値・金の獲得がない とした場合、
ほとんどのプレイヤーは「逃げる」を選択することでしょう。
この点が、RPGのザコ戦闘がいかに面白くないかを物語っています。


 もう一つは、倒すと次に進めるという「障害物」としての役割。
これをどう越えるかがゲームとなっていますが、そもそもそれは「ボス戦」と呼びます

 また、そのマップにまだ立ち入れない強敵という「障害物」としての役割を考えた場合、
エンカウント型のザコでなくても、小ボス・中ボスでも再現できるわけです。

 「大量の少ボス」というのはRPGではあまり例がありませんが
ポケットモンスターシリーズにおける「トレーナー」が実はソレであり、
実は既に有名な表現方法だったりします。

 障害物撃破の獲得とは やはり先にすすめるようになる事、それが最大の報酬。
しかしそれは「 ボス戦 」で良く、ザコ戦は不要と考えてしまう事もできるわけです。



無獲得でも戦いたいと思うもの じゃなければザコ戦は要らない!

 RPGの進化が足りない部分、のひとつかもしれません。

 ランダムザコ戦のメリットとして、プレイヤーが戦闘を誘える点があります。
エンカウントエリアで 十字キーを左右なりぐりぐり押すアレ です。
この部分は消すべからず なポイント。

 よって、再戦可能な少ボスを用意する手法が思いつきます。
ポケットモンスターでのトレーナー再戦や、
「ラストストーリー」におけるサモンサークルがそれに相当します。


 実はTHE LAST STORY(ラストストーリー)は、この考え方が表現されていて、
・障害物としての戦闘
・エンカウントそのものを廃止
・サモンサークルで、プレイヤーから戦闘実行

と、完璧な設計になってます。


 そろそろ エンカウントそのものを廃止する事を考えてみる時代かもしれません。




■RPGの性質

 基本的にRPGには レベルによって難易度調整が図れる という性質があります。
イージーモード・ハードモードといったようなものを小刻みで調整するようなもの。

 その目的である、難易度調整力が他にあれば、レベル・経験値は要らない

 しかしもうひとつの点が生じます。



■成長する主人公、育成の楽しさ

 それは、育成の楽しさ
RPGにおける重要なポイントのひとつです。
楽しいとともに、主人公の少年たちが成長したという実感にもつながります。

 しかし、この 難易度調整のために作業する という性質はいただけません。
「レベルあげ」「多いエンカウント」は苦痛の代名詞。



■EXPの必要性

 「 戦闘して 獲得し 強化される 」
RPGの多くが、それに疑問を持たずに採用しているものの1つ。
経験値獲得やレベルアップが戦闘によってのみ なのは改善すべき点です。

ダンジョンをクリアしたらレベルアップ でもいいし、
ボスのドロップや宝箱などからレベルアップアイテムが入手できたっていい。


 某テイルズシリーズでは、ザコ戦EXPが200~300程度で、
そのダンジョンのボスを倒すと 数万のEXPが入るというのもがありました。
そこで確実にレベルを整わせる設計。これではEXPの存在価値を疑ってしまいます。

同様に「 そこに到達する頃には、いい頃合のレベルになっている 」設計を良く見かけますが
それはそもそもEXPというシステムが不要であることの表れです。

 後述する・難易度設計のジレンマのスキップアイテム もここに応用でき、
「一時的にレベルを5上げるサポートキャラ」がいても良いわけです。
(その代わりレアアイテムが手に入らない~などは恒例に。)


 Lv・EXP制を採用するなら、「稼ぐ事がゲーム」であるように設計すべきです。


 まず、ドラクエにおけるメタル討伐がひとつの例です。

 ポケットモンスターでは、レベルの低いポケモンを戦闘に顔を出させて、
すぐさま引っ込めたりしてEXP配分を行う・・・

 そして、シミュレーションRPGにおけるEXP配分もゲーム性です。
誰で攻撃するか、誰でトドメを刺すかをプレイヤーがコントロールしてEXPを配分する。

つまり・・・


作業感の無い難易度調整

 が、できればいいのです。
 EXP以外の方法でレベルアップすればいい!

 例1.イベントアップ/サブイベントボーナス
    仲間との絆が実際にパワーとなる世界にし(※世界観はリアルであるべきの考えに基づく)
    会話イベントをこなしてレベルアップしたっていい。
    あるいは特訓イベントなど。
    寄り道が強化につながりますし、あるいはサブイベントを見る事で強くなる
    というシステムの場合、その作業感はかなり減少するでしょう。

 例2.パワーアップアイテム
    レベルを1上げるアイテム というのはありますが、
    これをシステムの根底から採用してしまおうというもの。
    ボスや中ボス、たから箱などから入手でき、
    寄り道することで強化を図れる。

 例3.クエストクリアボーナス
    特定のクエストクリアでレベル+1。
    これはメインシナリオでもいいし、寄り道要素でもいい。

 例4.簡単調整
    そもそもメニュー画面からレベル調整が出来たっていい!
    世界観のために「力を調整するオーブ」のようなものが手に入り、
    メニュー画面からパーティ内のレベルを1~5ぐらい調整できたっていいのです。
    逆に「力を抑えるオーブ」などを登場させて、
    低レベルのやりこみをやりやすくしてしまうのもアリ。

 例5.強化施設
    上記との組み合わせで、次のダンジョン内だけレベル+5してくれる
    ゴールドを支払う施設のようなものがあってもいい。
    世界観としては、力の神の加護~とか
    何かしら説明するだけで、ぐっとよくなります。


 このように、レベル制でも、EXPは不要であるとも考えられるのです。


■育成要素は必須!

 自分の操作してるキャラが強くなっていく!

 これはRPGの醍醐味のひとつであり、無くせません
 しかし、それは決して LvとEXPである必要はない のです。

 RPGのパラメータ変化をにぎる大きなひとつ存在 装備 。
 装備品の強化だけで育成要素を感じ取れるのはモンハンが証明済みです。
 ここは大いに練るべきところ。
 別に名前だけ変えてスキルセットのシステムでもなんでも同じです。
 レベル廃止でも、アビリティがどんどん強化されていけば、それでも成長感じ取れます。

 新しいスキルの習得でも成長は表現できます。
 パラメータが上がらずとも、単純に新スキルというのは戦力強化になります。

 また、キャラクター自体の強化がなされるだけでなく
 パーティの誰かが利用できる強化要素があることで、
 誰につけるかなどの自由度も生まれます。
 単純に、パーティ全員が装備できるけど1つしか無い神器とか。












 
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■ドラクエからの暗黙の了解を疑うべし

 ドラクエで築かれた「土台」
変えるならこの土台から変えるべきなのです。

 なんとかシステムと名前をつけ、「飾り」をしているRPGがあまりに多いのも現状です。
連続攻撃ボーナスや、防御時のHP回復など
ドラクエにパッシブスキル(※覚えているだけで効果が出る技)を
組み込んで達成できるようなものは、ドラクエから抜けきれていません。


 いまだにターン制バトルは逃走に失敗すると1ターン攻撃されるし
味方メンバー全員が必ず1ターン1コマンドだし、
確率クリティカルでダメージ増加するし、
防御はダメージ減少するし、
 戦闘でしか経験値入らないし、
いまだにダンジョンで敵が出現するし。

 「ドラクエはこうだから」とならっている部分が多いです。
あれはドラクエだからこそ良いのであって。
そういった「当然のこと」を根本から変えていく必要があります。

 民家からアイテム取る っていうのも、またドラクエからくるものです。
民家を荒らす勇者は酷いって事に気づいた俺スゴイ!なんてのを見ますが
正直なんともいいがたい滑稽さすら感じてしまいます。


 その代表たる「ターン制」を考えてみます





■他要素を取り入れる

 革命とは言いすぎですが、ATBを発明したファイナルファンタジー(以下FF)は
一つの大きな存在です。

 もう一つはアクションを取り入れたテイルズやスターオーシャン、
これはターン制の進化ではなく
他ジャンルを融合させるという手法の一つ。
テイルズは格闘RPGといってもいいかもしれません。

 例えば レイトン教授シリーズもナゾトキRPGのような性質を持っていますし、
アクションRPG、クイズRPG、パズルRPG、音ゲーRPG、TPS(シューター)RPG・・・
RPGの戦闘部分に他ジャンルを取り入れる事も一つの手です。

 FF4で搭載されたATBは、FF11で一歩進みます。
たたかう連打部分をオート化した、と
根本を変更せず操作を改善したあるいみバージョンアップです。

 FF13にもあるように
基本的な操作ルールから革新する
というのが必要なのです。


 新しい戦闘システムを作りたい、と思うなら
ターン制の上にシステムを乗せたものではなく
まず 新しい操作 から考えるべきです。
 システムと世界観は一致すべき。


■なぜターン制なのか

 ゲーム機でそれしかできなかった。昔のRPGにおいてはこれです。

 ツクール作品において言えば、デフォルトでターン制戦闘が搭載されているため
わざわざこだわっていない部分を作るよりも、見せたい「ウリ」の部分に力いれろ
っていう話です。
ツクール作品というのは、作者の味、ウリがいい意味で尖らせられるため、
ツクール作品は、作者の味を重視すべきであり、
わざわざターン制がどうとか、力を入れていない部分を考慮する事に、時間を割く必要はありません。


 このページでは、現代のRPG、または戦闘システムを制作する力のある人たちが
ターン制を採用する事について考えて見ます。



■ターン制の性質

 ターン制 という性質は、野球、将棋・囲碁、チェスなど
ルールに則るゲームに取り入られる要素です。
つまりRPGのバトルは ある種 競技 なのだと確信します。

 ターン制RPGのその スポーツ的な本質 を対戦にしたのが
ポケモンバトルになるかもしれません。


 また、ターン制はゲームの戦略面において 強い と言えます。
将棋や囲碁などの戦略性はもはやお墨付き。カードゲームやS.RPBも。
ターン制は、戦略性を叩き出す高いポテンシャルがあります。


■ターン制とリアル性

 しかしそこで、命を懸けた闘争の物語との違和感があるわけですね。

 「ターン制で敵味方が待っているのは不自然だ!」
単純に考えると、確かにそうです。

 ただ、日本人から考えると意外とそうでもなかったりします。
武士と武士の戦いを想像してみて下さい。・・・構えて待ってないですかね。

 これは、銃ではなく、刀独特の「間合い」があるからかもしれません。

 わかりやすいのが少年系バトル漫画で、
敵を前にして「次にどういう行動を取るか」の思考シーンがあったりしますよね。
そこがまさにターン制のコマンドしてるところです。
ターン制のコマンド時は 間合いを見計らっている と考える事もできます。
つまり、「敵味方は攻撃の射程外に居る」 という事に。
実は離れてた!?

 さらに、漫画での思考シーンの「時間」、
ここで長いセリフをしゃべる時があります。・・・が、場としては一瞬、
1秒の思考時間で8秒のセリフがあったりします。
プロの野球選手が ボールが止まって見える ような。あの時間感覚。
ターンコマンド時は「時は流れてない」のです。

・・・と、いろいろ世界観に落とし込むことは可能ですが、
やはり 両者がルールに則っている競技 という性質は抜けがたいです。

遊戯王のアニメがいい例で、味方・悪役問わずカードバトルというルールに則って戦います。
要はあれに近い世界。
ある種のバトル(スポーツ)で勝敗を決する世界である、と。

  ターン制RPGは日本の少年漫画的である 。
それはつまり パーティメンバーは全員必ず息をそろえて行動する
という連帯感、仲間・友情必殺ワザ・・・などの世界観が合うべきシロモノ。

そのため問題は、「リアル系ターンバトル」なんだと思います。



■ターン制を採用することについて

 開発労力が少ない事が大きなメリットであり、
ツクールでは初期搭載というのも、ひとつの大きなポイントです。

しかしその力が余っていても、
「 じっくり考える 」という楽しみのある ターン性を採用することは
決して悪いことではありません。

 ただ、何も考えず流用してるというのが問題なのです。

ターン制のような「 じっくり考えるコマンド戦闘 」であっても
ルールの全てをドラクエから継承する必要はありません。



1●各キャラ1回ずつ行動

毎ターン3回の行動権が与えられ、誰の行動を選択してもよく、
アタッカーが何回も攻撃し、後ろの人達がヒマしてるのもアリだと思います。

 全員1ターン1行動、とは すなわち
全メンバーが息を合わせての同時攻撃を繰り広げるもの。
少年漫画系の美しさを感じます。

 ドラクエ9の電源を入れると最初に流れるような1ターンが見れます。
鳥山テイストの世界を考えれば、ばっちりの演出です。


2●確率クリティカル

 攻撃ヒット時に一定確率でダメージアップするルール。
 これは無くてもいいわけですし、
 逆にダメージが確率で半分になる「グレイズ」があってもいいわけです。

 あるいは、弱点属性のことをクリティカルヒットとして扱ってもいいし、
 バトルシステムに組み込まれたオブジェクト利用でのクリティカルを狙ったり、
 特定行動した後に弱点が露出するモンスターは、その時だけクリティカルになるとか。


3●防御はダメージ1/2

 別に1/4でもいいし、0ダメでもいいわけです。
 そもそも防御コマンドがなくてもいいし。
 アビリティによって軽減率が変化するのもありますね。
 属性やタイミングによって0ダメにできたりフルダメくらってりしたりも。


4●経験値は戦闘でのみ

 特に クエストクリアEXP は一考の価値があります。
 戦闘はEXPを獲得しなければならない というのも縛られている点ですね。


5●エンカウント

 よくランダムエンカウント VS シンボルエンカウント のどちらが優れているか
 という話も見ますが、

 そもそも エンカウント っていうのが必要なのかどうか。

 あるいみでRPGを「重く」してる存在、
 「腰をすえてどっしり構えないと開始できないジャンル」たらしめてるポイントなのかも?と
 ちょっと考えてみるといいかもしれません。




今回はネット上で見つけた記事などに対して。
海外のRPGと「JRPG」と比較されるこの事について思うことがあります。

 ドラクエ等の基本的RPG → 派生していった様々な作品
       ↑          ↓
       └─批難する── これに不満を感じる。

どうもこういう流れになっているような。
この図でわかるように、どうみても改善すべきは右上の部分。
自分も、この右上の部分にて、RPGの楽しさが失われていっているような気がしてなりません。




 現実的でない要素は 世界観に落とし込まないのが問題である。

■ファンタジーの世界ならば

 例えば、漫画ドラゴンボール、映画スーパーマンなどで
「人が宙に浮いてるのはリアルでない」と批判するのは聞いた事がありません。
 一般的なファンタジーの世界で
「魔法なんてのはリアルでない」と批判するのも同様。

 アンリアルな要素は世界観と一致するから認められるという事が明白です。
これを前提に考えてみます。

 そこで、意外と出てこないのが 世界観へのフィードバック です。

■世界観に落とし込まないのが問題

 例えば、ATBメーターを搭載したゲームの場合、(FF11,FF12,白騎士物語・・・)
 ・攻撃ごとに数秒のチャージ時間がかかるエネルギー武器
  そのエネルギーがないとモンスターにダメージを与えられない。
  (そのエネルギーがないとダメージを与えられないバリアを
   全ての生命体がもっているとかなんとか)

とすれば、「その世界でのリアル」は出来上がります。

 4次元ポケット的バッグなりを主人公が持っている
とすれば、アイテム99個持ち放題だってまったく問題ないです。

 薬草が瞬時に効果を発揮する、という点においては
むしろ魔法の薬とでもして、
回復魔法的に傷を強制再生させる効果のある魔法商品として流通している

とすれば、これで良いのです。

 なぜモンスターが金を落すのか、については
ドラクエなんかもはや実際にモンスターが金を持ってる
という世界設定すらありえます。モンスターが買い物してたり。


 システム と 世界観 が不一致 を起こしているために
そこに「ウソ」が生まれてしまっているんですね。



■なぜリアルを追求しないかの根本的な理由

 意外とこれが抜けている考えも良く見るんですが、
ぶっちゃけて 開発のコストパフォーマンスの問題が大きく存在します。
それは、かける労力:ゲームの楽しさの向上 の比のこと。
まずこれは大前提です。

 ツクールにおいてもその労力、開発会社においてその人件費など。
そもそも搭載することによって面白くならないからやる必要が無いという
根本的な問題があります。

「ひたすらプレイに関わらない所にお金をかけて
 公開が延期され、販売価格が上がる     」
待ち望むゲームのこういう状況を考えたら やめろ と思いますよね。

 例えば・・・
「なんで何年もプレイしてもキャラが老けないのか」 とか
「なんで銃撃・爆発などの衝撃で、地面が削られないか」 とか
答えはただ一つ、設定されてないからですよね。
ひたすらリアル性を追求してプレイにストレスがかかるようであれば本末転倒、
10%のマニアが喜び、90%に不満感を与える事になるでしょう。



■どこまでリアルにするかは ゲームデザインによる。

 どこまでリアルにするか については そのゲームにおいてどこまで必要か に尽きる

 例えばマリオについて、※社長が訊く にある事ですが、
ファイアーボール、アイスボールが水中に入ったときはどうするか?
消えるのか、直進するのか。
アイスボールが敵に当たった後、空中で少しとどまる点もそのひとつ。
これは ゲームデザイン です。

 リアルを考えれば「ウソ」の世界になりますが、ここで
リアルをひたすら追求する事は、ゲームデザインの幅を狭める
という事になり、楽しいゲームを生み出す可能性をことごとく削ります。

 全てのゲームにおいて「楽しい」ことは最重要事項です。

 ツクールでも関係ある ”アイテムはいくつ持てるか”
ゲームバランスに直結するし、結局はゲームデザインです。


 まずこの「楽しさ」を最優先する設計を行い、
その後になって、それを世界観に落とし込めばいいのです。
 つまり、

現実はこうだから こういうゲーム設定にしよう
というのがダメな例であり、

こういうルールだと面白そうだから そういう世界にしよう
というのが良い例なのです。




 ドラクエの独特な世界観を表面的にだけコピーしたJRPGにおいて
奥底の部分がウソになりかけてるのだと思います。
それが、次のページ「DQでいいのはDQだけ」な点になります。
 戦闘にかかる時間。
 これについて、再び 楽しさ/プレイ時間比 という観点から見ていきます。


 戦闘の楽しさ を考えてみると、
・メニューの装備や編成画面での戦略構築 → 実践
・戦闘システムのゲーム性による楽しさ
・戦闘の緊張感/臨場感、そして世界観などの演出要素
という3点が思いつきます。
楽しい戦闘は、ザコ戦すらプレイヤーが進んで行うとても良いものです。

 1つめを見てみると、プレイヤーが組み立てた戦術の 実践 です。
 この考えで、戦闘に求められるのは その戦術がどうだったか という点。
この攻撃、行動が効果的だったかがわかったりすると満足感もでます。
 つまり、「結果が欲しい」ので、
~の攻撃!~ダメージ! というのは極力短時間でわかりたい
長いエフェクトなんてもっての他!とにかくバトルスピード!
コマンド→実行結果 という形式なので、
ターン処理は極力早くすると良いです。
 しかし、まったくの無演出だと、3点目の「戦闘してる感覚」に乏しい。
その為、3点目、戦闘演出は絶対に欠かせないものです。


 ひとつの解法は、1秒前後でドハデに行く、高速アニメです。
ハデさとスピード感を両立します。
 ツクール製/市販ともに、こういうデザインをされたゲームがありますが
とても良い流れだと思います。
 しかし演出の長さが存在感を与え、偉大なものと感じる、
これは演出上欠かせない事でもあります。
召喚魔法が1秒だったら 逆に世界観演出に乏しくなってしまいます。


 もうひとつの解法として、幻想水滸伝(4?)にヒントがあります。
 戦闘中、A→敵a B→敵b などに通常攻撃する場合、
なんと同時に行動し同時にダメージが出るのです。

 これを発展させ、「合体技」として戦術に組み込みつつ、
2キャラを行動1回にさせる短縮性も持つ、という事もできますね。

 魔界戦記ディスガイアでは、
”敵がいっせいに移動”する事でSRPGにかかりがちな時間の短縮を実現してます。

 プレイヤーは結果を知りつつ、エフェクトが短くなることもない、
これら戦闘短縮はとても良い仕組みだと思います。


 ターン制RPGの戦闘短縮を考えてみると、
まず幻想水滸伝の様に、干渉しない行動を同時実行するのもありだし、
2人→1体の連続攻撃も、コンボ演出してしまうのもアリですね。
 FF10が実現しているのが、敵A→味方A、味方A→敵A という攻撃順序の場合、
演出は、敵接近→敵殴り→その場で味方殴り→敵戻る という凄く上手い短縮法です。
「開始演出」→「ダメージ数値表示」 という流れが基本である演出の
前半をカットして短縮しています。

 幻想水滸伝のように、干渉しない行動の処理の場合、
すばやさ順序を入れ替えても、戦闘結果には影響しません、
例えば、行動済みの敵に 速A→敵a 遅B→敵a そのほかの味方→他の敵
とすると、遅いBの行動をAの行動と同時処理してしまってもイイわけです。

 あるいは、戦闘結果に影響を及ぼすシステムルールとして
Bの行動速度をひっぱれるゲームにしてしまうのもまた一興です。

 召喚魔法、大魔法などの偉大な存在を演出しつつ短縮する手として
画面暗転/詠唱開始 → 他キャラの処理 → 発動!
と、演出時間と戦闘短縮の両立をさせる方法もアリです。


 このように、まずエフェクトはスマートにしつつも、存在感を演出し、
「同時処理」を駆使して戦闘短縮することで
よりテンポのよい、いいバトルシステムになることでしょう。。
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