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 ストーリーが一本に決まっており、分岐しないのは不自由だ!
・・・本当にそうでしょうか? 考えてみます。


■RPGの1要素

 まず、RPGというゲーム自体の性質からおさらいします。

 「シナリオかシステムか」というRPG論議を見かけることがありますが、
それが表しているのは、RPGというゲームは

 RPGとは様々な要素で構成されている点であり、
プレイヤーによって求めるものが違うという点があります。

 この性質があるからこそ、RPGの制作が重労働なのです。
ストーリーがいいのか、バトルが楽しいのか、キャラ、音楽・・・あげればキリがありません。

ストーリーはそのうちの 1つ です。



■ストーリーの意味合い

 映画、漫画、小説・・・さまざまな作家が描いた物語を好んで見る人がいるわけですから、
固定ストーリー自体の良さは、誰もが認めている事実です。
固定ストーリーを採用することは、物語を作品として発表する意味合いが強い 事になります。
この点が重要です。

 つまり、物語を読みたいプレイヤー に対しては、「物語を提供」すべきであり、
物語とはゲームプレイであるというプレイヤー に対しては「物語はプレイ結果」とすべきなのです。

この点は次項「ハッピーエンドは「報酬」」で解説します。




 ただし、固定ストーリーであっても固定していいのは、物語においてだけです。
バトルの戦略や、探索の道筋、これを固定しているからこそ、「自由度が無い」と感じてしまいます。

 これはストーリー上通らなければならない「 強制ダンジョン 」が同じ問題を抱えています。
(※後述:K.難易度設計のジレンマ 案5)



■フリーシナリオ・マルチシナリオ


 「物語はプレイ結果である」と考えると、
ストーリーは様々に流れていきます。

 しかし、単にフリーシナリオ・マルチシナリオと呼んでも、
名前だけでは分けられない そこには2種類のマルチシナリオが存在します。


 ひとつは、「ハッピーエンドは「報酬」」である、と同じ考えのもの、
様々なシナリオが散りばめられている中で、プレイヤーは好きな順番でクリアできるという形式。
この形式の楽しさは「ロマンシング サ・ガ」が実証済み。

 また、オーブを6つあつめる ・・・などの個数系の物語で
その順序を自由にこなせるようにすることでもフリーの性質を取り込めます。

 時限イベントさえなければ、プレイヤーは好きな順番で物語を見ることができ、
周回プレイを強要されずに全要素の堪能もできる、すばらしい形式とも言えます。

 もちろん、このシーンのための布石・前準備が必要となるなら、”そこだけ一本道”にすればOK。
例えば、

 シナリオABCDEが自由に実行可能・・・そして、Dをクリアすると「D2」が、そして「D3」が、

というように、フリーシナリオの中でも連続クエストを設定することで、
長めの話を演出する事もできます。







 もう一つは、主に選択肢などによって、ストーリーが分岐するもの。
「なんとかルート」という呼び方がされたりするアレ。

 この方式のマルチシナリオは「ストーリー分岐」とも呼ばれ、
この方式だと「一度に複数のおはなしを提供する」という性質に近いです。
つまり、その本質は固定シナリオであるとも言えます。

 また、ストーリーを”作品”として評価する場合、
いってみればコンテストに複数作品を同時に投稿するようなもの。
あるひとつの物語が駄作であったとしても、他のルートの評価で補えるという
すこし 保険 的な要素があるので、物語作品としての評価はしにくく、
せっかく作ったのにプレイヤーが見ない部分を生み出すという、
「周回プレイ強要」という嫌われる要素であり、
ゲームを一周プレイするだけでそのゲームを堪能できないのは大きな問題です。
どうしたって周回前提のゲームになります。

 そのため、ワンプレイが長いRPGには不向きと言えます。
サウンドノベルゲームの性質を劣化輸入したとも。
サウンドノベルでの「スキップ」に相当するものがRPGには無いのが問題点です。

 そのスキップ機能に相当するもので分岐ストーリーを柔軟に進化されたのが
「ラジアントヒストリア」。
 特定ルートの特定箇所に移動できるシステムがあるため、
いわゆるRPGにおきかえれば、特定のボス戦・会話だけを見直す事が可能という
かなりの便利機能です。
ラジアントヒストリアではこれ自体がゲーム進行にからんできますが、
通常のRPGにおいても、特定のシーンだけ再プレイ という機能はあったらいいと思います。



■一部フリー

 ドラクエ3,6,9、テイルズ(TOS)などに採用されていますが、
基本的に一本の道筋がありますが、一区間だけフリーシナリオになるもの。
DQ3ではオーブ集めの順番、6は船入手後、9も果実集めの順番。
TOSではシルヴァラントの船で渡るあたりの南北2ルート。
 どういう順番でクリアしても、同じ展開になります。

固定ストーリーでも、順番を組み替えても破綻しない部分は、
積極的にこの形式を取るといいかもしれません。


 ただし、「物語の抑揚」という面で、
フリーシナリオ部分はどうしても停滞感が出るので、
導入終了後の序盤~中盤でのみ使える技法です。

 終盤で使う場合は、この停滞感を利用して「嵐の前の静けさ」として演出すると良いでしょう。
間違っても燃える展開にはなりません。


■「見る」シーンが多い

 これは「ほんとうのプレイ時間」の概念から解説できますし、
上記の「イベントスキップ」も解決する一つの手です。

重要なのは 見るシーンが楽しいかどうか 
「ああ早く操作させろ」と思われた時点が負けの分岐点。

 映画級のシーンで、それが長く続いても、もし「楽しい」のであれば
ゲームソフトは「映画鑑賞もゲームプレイも楽しめるお得な1本」という考え方になります。

 この部分でのRPGの悪は 時間稼ぎ にあります。

 仮に映画でも漫画でも、物語が進まない会話を延々と続けられれば
それはイライラしてきますし。

 ゲームの見る部分では スピーディに物語を進ませる のは重要。
話が進まないのが問題なのです。

 展開に次ぐ展開、どかどか物語が進行するようなら
長いイベントシーンも十分楽しめると思います。




 しかし、ストーリーの自由度とは、 分岐 だけなのでしょうか?


■シナリオスキップ

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